- 2023年で制度が終了になったら本当に加入できないの?
- 廃止になる前に加入しておかないと損するのか?
- 子供の資産は子供名義で作成した方が良いの?
2023年で廃止決定が決まったジュニアNISAに駆け込み手続きを検討しようか悩んでいるご家庭の方がいらっしゃるかと思います。お子様が18歳になるまでは引き出しが出来ないなどと不便なことが多く、人気ガタ落ちの制度でした。
ですが一変して不便な要素が緩和され最後の1年でも入っておこうか迷っている方に向けて解説します。この記事を執筆するにあたって金融庁と日本証券業協会に実際に電話で問い合わせをし、その返答も一緒に紹介しています。
ジュニアNISAを活用して将来に向けて少しでも多くのお金を残すことでお子様がやりたいことへの援助や進学に向けた準備のお金にも役にたてます。ぜひ最後までお読みください。
2023年のうちに情報をしっかりとおさえて行動しようね!
ジュニアNISA2023年以降はどうなるか?金融庁に聞いてみた
ジュニアNISAに関してweb上で検索すると、金融庁が公表しているHPが出てきます。もしかしたら発表はされていないものの、何かしらの情報は得られるのではと思い電話で確認してみました。担当の方に聞いてみたところ、ジュニアNISAの大まかな概要は2023年1月の段階では公表されておらず、個人的に疑問点がある場合は、日本証券業協会へ問い合わせを打診されました。
日本証券業協会 (jsda.or.jp)のNISA相談コールセンターの職員の方に詳細を3つほど電話で聞いてみました。是非参考にしてみてください。
疑問に思った事は以下の3つです。
残り1年でも入っておいた方がよいのか?
子供名義で未成年でも口座開設出来るのが推しの1つなので、子供のために少しでもお金を用意してあげたい方は1年でも入っておいた方がよいでしょう。今使う必要のないお金を将来の大学の費用や結婚でのご祝儀にプレゼントとして渡すのも喜んでもらえるきっかけになります。
2023年以降の具体的方針は決まっているのか?
まったく同じ制度が新たに始まることは今のところありません。新NISAも18歳からなので、18歳より下の年齢で出来る制度は今回が最後とのこと。また新しい制度が発表されるとしても、2323年末になる予定。発表を待って次の制度に期待をするくらいなら、現在行われているジュニアNISA制度に入って少額でも積み立てをしておいた方が後悔しなくて済みそうです。
廃止になるにあたって、反対は少なかったのか?
2023年に廃止が決定になるにあたって反対する人は少なからずいたとのこと。2022年6月では、他のNISAと比べて圧倒的に少ない86万口座の開設数ですが、今年で終わってしまうのを残念に思っている人達もいます。2024年以降に生まれたお子様は加入できないので、どうしても公平の少なさは出てきてしまいます。
金融庁HPより引用
口座数 | |
一般NISA | 約1,064万 |
つみたてNISA | 約638万 |
ジュニアNISA | 約86万 |
ジュニアNISA3つのメリット
廃止決定により使いやすい商品になったことでメリットが増えたことは間違いありません。従来のメリットもおさらいしながら3つ紹介します。
- 払出制限が撤廃されたので好きなタイミングで売却できる
- ロールオーバーが簡素化
- 子供の人数分利用可能
それでは順番に解説します。
1.払出制限が撤廃されたので好きなタイミングで売却できる
ジュニア NISA の払出制限はお子様が18歳になるまで売却不可能は今までの決まりでした。ところがジュニア NISA の廃止が決定した途端、ジュニア NISA の払出制限を変更し、従来の18歳まで売却不可能から、いつでも好きなタイミングで売却することが可能になりました。
今まで使い勝手が悪かった部分が、逆に使い勝手が良くなりお子さまの年齢やご家庭の事情に合わせて運用できるようになりました。
2.ロールオーバーが簡素化
ロールオーバーすることによって、ジュニアNISA終了後も18歳になるまでは非課税で運用でき、継続管理勘定口座に移管ができます。しかし移管の方法には、廃止決定するまでは所定の用紙が届くのを待ちながら手続きをする若干のめんどくささがありました。
証券口座ごとに手続き方法が違ったり、年末に書類が送られてきて提出し忘れたりすることも多々あったりスムーズな対応が少なく使いにくい部分がありました。面倒な対応から解消されるので書類作成の時間を削減でき、年末に焦る心配もありませんね。
3.子供の人数分利用可能
ジュニア NISA の口座は一人一口座なのでお子様の人数のぶんだけ口座を開設することが可能です。ご兄弟が多い場合は均等割にすることなく一人に対して口座を与えて資産形成ができます。
親の方が積立 NISA や一般 NISA を開設している場合、お子様も一緒にジュニア NISA を開設することによって、家族全員で非課税枠を運用することが可能です。
ジュニアNISA3つのデメリット
改正したものの、全てに融通がきく商品ではないことも事実。お金を運用する以上、注意するべき内容もしっかりおさえておきたいですよね。ここではデメリットを3つ紹介します。
- 金融機関の変更ができない
- 投資である以上思い通りの利益が出るわけではない
- 損益通算はできない
それでは、順番に解説します。
1.金融機関の変更ができない
ジュニア NISA の金融機関の変更は原則不可。変更したい場合は金融機関で口座の解約の手続きをしなければなりません。ですから金融機関が自分にとってふさわしいかどうか、希望の投資商品が揃っているかどうか、証券会社がマッチしているかどうか検討する必要があります。
2.投資である以上思い通りの利益が出るわけではない
ジュニアNISAは投資である以上、思い通りの運用益が絶対に出るとは限りません。運用年数や、投資商品等にもよるので売却年に売却益が思ったよりも少ないと感じることも想定しておきましょう。
その際には売却年数をもう1年遅らせたり、他の資金でカバーしたりと選択肢を広げておくと良いでしょう。あくまでも世界経済の影響を受けることは絶対なので、景気動向も一緒に観察しながらライフプランの変動ができるようにしておくのもおすすめです。
3.損益通算はできない
損益通算とは所得の黒字と赤字を打ち消すことです。ジュニア NISAで運用したお金がマイナスになってしまった場合に給与所得や事業所得などと合算して課税標準を減らせるかどうか疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。
結論としてはマイナスになってしまった場合は損失した部分は合算して打ち消す事が出来ません。短期での損得は考えず、損得は最低でも5年以上の資産運用ができるので中期運用の黒字化目標で資産形成をしていきましょう。
ジュニアNISAがおすすめな人
ジュニア NISA がおすすめの人は、お子様の年齢が0から3歳の低い年齢であれば、運用期間を長く行えます。投資期間は、2023年の1年分しか投資はできませんが、長く運用して複利で資産を積み上げていきたい人にはお得な制度と言えます。
今の時代銀行などに預けても複利の恩恵を全く得られないほどの金利しかつかないので、投資という選択肢を使って、お子様のために資産形成をするのも良いでしょう。
ただし80万円を全て使い切るのは難しいかもしれません。あくまでも資金に余裕がある範囲で運用していきましょう。